変形性股関節症と診断され、夜間の股関節のうずきや寝返りのたびの痛みで、朝まで眠れない日々が続いている方は少なくありません。
京都・中京区の京都オステオパシーセンター2Fでは、股関節だけでなく腰や骨盤、腹部、胸郭など全身のつながりから夜間痛の要因にアプローチしています。
理学療法士・健康科学修士・発達ケア・アドバイザーの大村颯太が、進行期の変形性股関節症における夜間痛への施術と、ご自宅でできるセルフケアをご提供しています。
本記事では、約10年間股関節の痛みに悩まれた50代女性のケースをもとに、変形性股関節症の夜間痛に対する身体全体を考慮した考え方と具体的なセルフケアをご紹介します。
📑 目次
変形性股関節症で夜も眠れない痛みがある方へ|京都・中京区のオステオパシー

夜も股関節がうずいて眠れない方へ
変形性股関節症と診断されてから、日中の歩きづらさだけでなく、夜に股関節がうずいて眠れない。寝返りを打つたびに痛む。じっとしていても奥のほうが重だるく、朝まで何度も目が覚めてしまう。
こういう状態が続くと、「このまま手術しかないのかな」と不安になる方も少なくありません。
もし以下にひとつでも当てはまる方は、この記事をぜひ最後まで読んでみてください。
今回ご紹介するのは、進行期の変形性股関節症と診断され、約10年間股関節の痛みに悩まれていた50代女性のケースです。来院時には夜間痛も強く、十分に眠れない状態が続いていました。
ご本人としても、当院での施術でも難しければ、手術も検討しなければならないかもしれない。そんな切実な状況でご相談いただきました。

変形性股関節症で手術を迷う方が抱えやすい不安
変形性股関節症の方からよく伺うのは、「できれば手術は避けたい」「人工股関節にするなら、できるだけ先に延ばしたい」「今の股関節を少しでも長持ちさせたい」というお話です。
特に50代、60代の女性では、家事や仕事、家族のこともあり、すぐに手術を選ぶことに迷いがある方も多いです。人工股関節の手術そのものを否定しているわけではありません。必要な方にとっては、とても大切な選択肢です。
ただ、実際の現場では、何年も整体院や治療院に通ったけれど痛みが大きく変わらず、最終的に人工股関節の手術に至る方もいらっしゃいます。
私自身、理学療法士として人工股関節術後のリハビリを経験してきました。その中で、長い間いろいろな治療院に通いながらも痛みが改善せず、手術に至った方を多く見てきました。
正直に言うと、以前の私も、治療院で変形性股関節症の方を施術したときに、思うように痛みを軽くできず、申し訳なさを感じたことがあります。
ただ、この4年間で、軽症の方だけでなく、進行期や末期に近い変形性股関節症の方も継続して見させていただく中で、「少なくとも痛みや生活のつらさを軽くしていく余地はある」と感じる場面が増えてきました。
もちろん、すべての方に同じ結果が出るわけではありません。進行期や末期の変形性股関節症に対して、保存的な施術でどこまで対応できるのかは、今も私自身の課題です。
それでも、「変形しているから、もう何もできない」と決めつける前に、身体全体を見直す価値はあると感じています。
変形性股関節症と脊柱管狭窄症が重なるヒップ・スパイン・シンドロームの視点
今回の方の場合、股関節そのものの問題に加えて、脊柱管狭窄症由来と思われる神経症状も見られました。
変形性股関節症の方では、腰と股関節の問題が同時に存在することが少なくありません。これは「ヒップスパインシンドローム」と呼ばれる考え方にも近く、股関節だけでなく、腰椎・骨盤・神経の状態を一緒に見る必要があります。
股関節が痛いから股関節だけを見る。これは一見わかりやすいのですが、実際にはそれだけでは説明しきれないケースがあります。
たとえば、腰部脊柱管狭窄症があると、腰から股関節周囲へ向かう神経の働きが落ちやすくなります。神経の働きが低下すると、筋肉の反応、血管の調整、痛みの感じ方にも影響が出ることがあります。
実際に身体を評価していくと、この方は頭頸部が過剰に伸展し、上部胸椎は丸くなり、胸郭周囲の硬さも強く見られました。また、心膜周囲の緊張、腹部の硬さ、骨盤内の緊張もありました。
腹大動脈から内腸骨動脈、大腿動脈へとつながる血流のルートにも負担がかかっている印象があり、股関節だけでなく、体幹全体の状態が股関節の回復を妨げているように見えました。
股関節そのものも、大腿骨頭が前方へ偏位するような状態があり、関節の適合性が落ちていました。さらに顎関節や歯の問題も関係していたため、必要に応じて顎まわりの調整も行いました。
ここまで聞くと、「股関節なのに、なぜ胸やお腹、顎まで見るの?」と思われるかもしれません。
ただ、股関節は単独で動いているわけではありません。腰、骨盤、腹部、胸郭、首、顎。これらが連続した一つの身体の中で働いています。どこかの緊張や循環の滞りが、股関節に負担をかけ続けることもあります。
夜間痛に関係する炎症・骨内高血圧・静脈うっ滞
変形性股関節症の痛みは、単純に「軟骨がすり減っているから痛い」とだけ説明できるものではありません。
画像上の変形が強くても痛みが少ない方もいれば、変形が軽度でも強い痛みを訴える方もいます。つまり、変形の程度と痛みの強さは、必ずしも一致しません。
その背景には、股関節内の炎症、免疫系の働き、骨髄浮腫、骨内圧の上昇、静脈うっ滞などが関係している可能性があります。特に夜間痛のように、じっとしていても股関節がうずく場合は、単なる筋肉の硬さや関節の可動域だけでは説明しにくいことがあります。
骨内高血圧とは、簡単に言うと、骨の中の圧が高くなり、骨の中で血液が巡りにくくなる状態です。股関節周囲の静脈やリンパの流れが滞ると、炎症物質や代謝産物が抜けにくくなります。その結果、骨の内部や関節周囲に負担が残りやすくなると考えられます。
また、股関節内の炎症には、免疫系の働きも関係します。免疫の状態には腸内環境も関わるため、「股関節だけ」の問題として見ていると、見落としてしまう要素があります。
もちろん、「腸を整えれば変形性股関節症が治る」という単純な話ではありません。ただ、慢性的な炎症を抱えている身体では、股関節だけを局所的に施術しても、痛みが戻りやすいことがあります。
だからこそ、当院では股関節を直接触るだけではなく、股関節が回復しやすい条件を全身から整えることを大切にしています。
実際にこの方に対しても、股関節を直接触っていた時間は、全体の施術時間の5分の1以下だったと思います。
重点的に見ていたのは、腰椎・骨盤・腹部・胸郭・頸部、そして股関節へ向かう血管や神経の通り道です。腹部や骨盤内の緊張をゆるめ、胸郭や横隔膜の動きを出し、静脈やリンパが戻りやすい状態を作る。その上で、大腿骨頭の位置や股関節周囲の組織の緊張を丁寧に調整していきました。
オステオパシーでは、身体を部分ではなく一つのつながりとして見ます。股関節の痛みであっても、実際には腰、骨盤、腹部、胸郭、首、顎まで関係していることがあります。
細かな触診を通じて、どこが股関節の回復を妨げているのかを探していくことが大切だと考えています。

ご自宅でできる変形性股関節症の夜間痛セルフケア|血流と緊張を整える習慣
夜間痛がある方は、寝る前に股関節だけを強く伸ばしたり、痛いところを無理に揉んだりするよりも、まずは身体全体が落ち着き、下半身の血流が戻りやすい状態を作ることが大切です。
特に今回のように、腰・骨盤・腹部・胸郭の硬さが関係している場合は、股関節そのものを動かす前に、呼吸と足首から整えるほうが安全なことがあります。
- 1仰向けで膝の下にクッションを入れ、股関節が少しゆるむ姿勢を作ります。
- 2お腹に手を当てて、鼻からゆっくり吸い、口から長く吐く呼吸を1〜2分行います。
- 3そのまま足首をゆっくり上下に動かします。左右20回ずつ、痛みが出ない範囲で行ってください。
2週間ほど続けても変化が乏しい場合や、痛み・しびれが強くなる場合は、無理に続けず一度ご相談ください。LINEでお気軽にご相談いただけます。
よくあるご質問
Q. 変形性股関節症ですが、手術をせずに夜間痛を和らげることは可能ですか?
A. 進行期や末期の場合でも、股関節周囲だけでなく腰や骨盤、腹部、胸郭など全身の状態を整えることで、夜間痛が軽減する可能性があります。当院では、画像上の変形の程度だけで判断せず、身体全体のつながりから施術を行います。
Q. 股関節が痛いのに、なぜ胸やお腹、顎なども診るのですか?
A. 股関節は単独で動いているわけではなく、腰、骨盤、腹部、胸郭、首、顎などと連続した一つの身体の中で働いています。全身の緊張や循環の滞りが股関節に負担をかけ続けることがあるため、当院では全身を評価して施術します。
Q. 夜間の股関節の痛みに対して、自宅でできることはありますか?
A. 寝る前に股関節を無理に伸ばすのではなく、仰向けで膝の下にクッションを入れ、ゆっくりとした呼吸と足首の運動を行うことがおすすめです。血流と緊張を整えることで、股関節が落ち着きやすくなります。
Q. 施術はどのくらいの頻度で受ける必要がありますか?
A. 症状や状態によって異なりますが、まずは施術後の変化を確認し、その後の頻度を相談しながら決めていきます。無理のないペースで通えるよう、ご相談ください。
Q. 施術の予約はどうすればいいですか?
A. LINEでのご相談が最も便利です。公式LINEからお気軽にご連絡ください。その後、WEB予約やお電話でもご予約を承っております。
京都オステオパシーセンター2F
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