脳卒中のあと、「肩が痛くて夜に眠れない」「腕をどう扱えばいいかわからない」「少し動かすだけでも不安がある」と感じる方は少なくありません。
京都・中京区の京都オステオパシーセンター2Fでは、肩そのものだけではなく、首周り、体幹、感覚入力、日常での上肢の扱い方まで含めて確認しながら、肩への負担を減らす方向を一緒に探っていきます。
理学療法士・健康科学修士の大村颯太が、研究で分かっていることも踏まえながら、脳卒中後の肩の痛みと亜脱臼についてお伝えします。
今回は、発症から1年以上が経過した60代女性で、9回の施術後に夜間痛が消え、肩が挙がりやすくなった一例をご紹介します。※変化のあらわれ方には個人差があります。
📑 目次
こんなお悩みの方へ
脳卒中のあと、肩の痛みで眠りが浅くなったり、腕をぶら下げるだけでもつらく感じたりすることがあります。ご本人だけでなく、ご家族も「どう支えればいいのか」「どこまで動かして大丈夫なのか」で迷いやすいところです。
肩の痛みは肩だけの問題に見えても、実際には首周りの緊張、体幹の支え、感覚の入り方、日常での上肢の置き方など、いくつもの要素が重なっていることがあります。そこで当院では、局所だけでなく全身のつながりと生活場面まで見ながら整理していきます。
なぜ脳卒中後に肩の痛みや亜脱臼が起こるのか
脳卒中後の肩の痛みは、筋力低下による肩関節の不安定さ、亜脱臼、筋緊張の変化、関節包や周囲組織の硬さ、感覚障害など、複数の要因が重なって起こると考えられています。特に麻痺側の腕が下方へ引かれ続けると、肩の支持が難しくなり、負担が積み重なりやすくなります。
また、痛みが強くなると腕をかばいやすくなり、さらに動きにくさが増す、という悪循環も起こりやすいです。だからこそ「肩だけ」ではなく、日常での上肢管理や身体全体の支えを含めて見直すことが大切です。
今回の評価でわかったこと
今回の方は、左運動野領域の脳梗塞後、発症から1年以上が経過した60代女性です。入院中は肩の痛みが目立たなかった一方で、退院後に麻痺側肩の亜脱臼と夜間痛が強くなり、肩の自力挙上は約30度にとどまっていました。
評価では、肩そのものの不安定さに加えて、首周りの緊張、感覚入力の不足、そして日常での上肢の扱い方が肩への負担に関わっていると考えました。このため、痛みの部位だけを追うのではなく、身体全体の支えと上肢管理まで含めて組み立てました。
当院で行ったアプローチ
主に行ったのは、首周りの調整、下肢と手指への感覚入力、そして麻痺側上肢の管理方法の確認です。肩そのものに直接負担をかけるのではなく、身体の支えを整えながら、上肢が無理なく保たれる状態をつくることを優先しました。
あわせて、日常で肩に負担をためにくい置き方や動かし方を共有し、ご自宅でも続けられる形にしていきました。派手なことではありませんが、こうした積み重ねが痛みの軽減につながることがあります。
ビフォーアフター(動画と写真で見る変化)
▲ 施術前後の変化(動画)
施術前は、退院後から続く肩の痛みが強く、夜も眠りにくい状態でした。肩の自力挙上も約30度が限界で、腕を扱うこと自体が負担になっていました。9回の施術後には夜間痛が消え、肩は約90度まで自力で挙げられるようになり、「腕が挙がりやすい」というご本人の実感につながりました。※変化には個人差があり、同じ結果をお約束するものではありません。
ご自宅でできるセルフケア
脳卒中後の肩の痛みでは、強く動かすことよりも、まず肩に負担をためにくい環境をつくることが大切です。次の3つは、ご自宅で比較的取り組みやすいポイントです。
- 1座るときは麻痺側の腕がぶら下がらないよう、肘の下にクッションやタオルを入れて支えます。長時間のぶら下がりを避けるだけでも負担は変わります。
- 2手指をやさしく触れたり、テーブルの上で腕を支えながら前後に少し滑らせたりして、痛みのない範囲で感覚入力を入れます。無理に大きく動かす必要はありません。
- 3首や肩に力が入りすぎているときは、深呼吸をしながら首周りの力を抜く時間をつくります。肩だけ頑張るより、身体全体の緊張を落とす方が動かしやすいことがあります。
強い痛みが出るとき、夜間痛が悪化する時期、腫れや熱感があるときは無理をしないでください。動かし方に迷う場合は、一度状態を確認してから進める方が安心です。
肩の痛みや腕の扱い方で迷っている方は、LINEでお気軽にご相談いただけます。
研究からわかっていること
脳卒中後の肩の痛みは、亜脱臼だけでなく、筋緊張、感覚障害、関節や軟部組織の変化など、いくつもの要因が重なって起こると整理されています。そのため、ひとつの方法だけで説明しきるのではなく、状態に合わせて個別に組み立てることが大切だと報告されています。
また、肩関節の位置を保つことや、日常で負担をためにくい上肢の管理は、可動域低下や二次的な負担を防ぐうえで重要とされています。一方で、どの方法が誰に最も合うかは一様ではなく、評価をもとに調整していく姿勢が必要です。
京都・中京区でご相談いただきたい方へ
脳卒中後の肩の痛みや亜脱臼は、「時間が経っているから仕方ない」と片づけにくい悩みです。慢性期であっても、首周り、感覚入力、上肢管理、身体全体の支えを見直すことで、負担のかかり方が変わることがあります。京都・中京区で、肩の痛みや腕の扱い方に悩んでいる方はご相談ください。
参考文献
- Poststroke shoulder pain. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11382817/
- Positioning to prevent or reduce shoulder range of motion impairments after stroke: a meta-analysis. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19482894/
- Interventions for Post-Stroke Shoulder Pain: An Overview of Systematic Reviews. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7732168/
よくあるご質問
Q. なぜ退院後に肩の痛みが強くなることがあるのですか?
A. 入院中よりも日常で腕が下がる時間が増えたり、上肢の扱い方が難しくなったりして、肩への負担が目立ってくることがあります。亜脱臼や感覚の変化も関わります。
Q. 発症から時間が経っていても変化はありますか?
A. 個人差はありますが、慢性期でも肩への負担のかかり方や上肢管理を見直すことで変化がみられることがあります。今回の一例でも、発症から1年以上経過した段階で変化がありました。
Q. 亜脱臼があるときは腕を動かさない方がいいですか?
A. まったく動かさないのではなく、負担の少ない支え方や範囲を確認しながら進めることが大切です。無理な挙上やぶら下がりは避けた方が安心です。
Q. 家で気をつけることはありますか?
A. 腕が長時間ぶら下がらないよう支えること、痛みのない範囲で感覚入力を入れること、首周りの緊張をためすぎないことが大切です。
Q. 夜間痛が強いときはどうしたらよいですか?
A. 枕やタオルで腕の位置を支え、肩が引っ張られにくい姿勢をつくることが助けになる場合があります。痛みが続く場合は早めに状態を確認する方が安心です。
※本記事は個人の一例を紹介したもので、効果・変化には個人差があります。当院は医療機関ではなく、自費の施術を提供しています。
京都オステオパシーセンター2F
〒604-8366 京都府京都市中京区七軒町466
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受付時間:9:00〜20:00(土曜休診/日祝対応可)
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