脳卒中のあと、「歩くときに足を前へ振り出しにくい」「足を引きずってしまう」「外を歩くとふらつく」といったお悩みを抱える方は少なくありません。
京都・中京区の京都オステオパシーセンター2Fでは、麻痺した側の足だけでなく、体幹や反対側の脚の使い方まで全身のつながりとして確認しながら、歩きやすさを一緒に目指す自費の施術を行っています。
理学療法士・健康科学修士・発達ケア・アドバイザーの大村颯太が、研究で分かっていることも交えながら、脳卒中後の歩きにくさへの向き合い方をお伝えします。
今回は、約半年の施術で歩き方に変化が見られた60代女性の一例をご紹介します(変化のあらわれ方には個人差があります)。
📑 目次
脳卒中後の「歩きにくさ・足の引きずり」でお悩みの方へ
脳卒中のあと、「以前のようにスムーズに歩けない」「左足がうまく前に出ず引きずってしまう」「外に出るとふらついて怖い」と感じる方は多くいらっしゃいます。京都・中京区の当院にも、退院後にもう少し歩き方や姿勢を整えたい、というお気持ちで来てくださる方が少なくありません。先にお伝えしたいのは、歩きにくさは「麻痺した足だけの問題」とは限らず、体幹の支えや反対側の脚の使い方まで含めて見直すことで、変化につながることがある、ということです。
この記事では、実際の一例を通して、脳卒中後の歩きにくさをどう捉え、どんなアプローチを行い、どんな変化が見られたのかをご紹介します(変化のあらわれ方には個人差があります)。
なぜ脳卒中のあとに足を振り出しにくくなるのか
脳卒中のあとは、麻痺した側の筋肉の働きが落ちたり、力の入り方のタイミングが乱れたりします。その結果、歩くときに足を前へ振り出す力や、つま先を持ち上げて地面とのすき間をつくる動き(つま先のクリアランス)が不足し、足を引きずるような歩き方になりやすくなります。海外の研究をまとめた報告でも、こうしたつま先の引っかかりは転倒のリスクにつながりやすく、課題に沿った歩行・動作の練習で改善が期待できると示されています(He et al., 2026)。
さらに見落とされやすいのが、麻痺していない側や体幹の働きです。体幹の支えが弱かったり、反対側の脚で体を支えきれなかったりすると、全体の安定性が下がり、ふらつきにつながります。だからこそ当院では、麻痺側だけを見るのではなく、全身のつながりとして歩きにくさの背景を確認していきます。
今回の評価でわかったこと
今回の60代女性は、数年前に脳卒中を経験され、左半身に麻痺が残った方です。評価では、麻痺側の肩や体幹の活動が低下し、体幹の回旋(ひねり)が出にくい状態でした。歩行では左足の振り出しが不足して引きずりが見られ、踏み出す直前に体を支える局面で膝の安定性も低下していました。あわせて胸椎が後弯して硬くなっていたことも、体幹の動きにくさにつながっていると捉えました。
こうした所見から、麻痺側の足の問題だけでなく、体幹の支えと反対側の脚の使い方まで含めて、全身のつながりとして整えていく方針を立てました。
当院で行ったアプローチ
まずは全身をやさしくゆらす動きで過度な緊張をゆるめ、身体が動きやすい状態をつくるところから始めました。そのうえで、上肢や手指の動きを引き出すアプローチ、立位や歩行に向けたバランスの練習、床の上で行う体幹のエクササイズなどを組み合わせていきました。ご自宅でも続けられる簡単な動きをお伝えしながら、約半年かけて少しずつ積み重ねています。
ポイントは、「歩く」という動作そのものに近い課題を、無理のない範囲でくり返し練習したことです。実際の生活に沿った課題を反復していく考え方は、脳卒中後の歩行に向けた取り組みとして研究でも重視されています。
ビフォーアフター(動画と写真で見る変化)
▲ 施術前後の歩き方の変化(動画)
施術前は左足の振り出しが不足し、足を引きずるような歩き方で、歩くスピードも上がりにくく、ふらつきや不安感がありました。約半年後には足の引きずりが減り、歩くスピードも上がってきました。ご本人からも「歩くときの不安定さや不安感が減った」とのお声をいただいています。※変化のあらわれ方には個人差があり、同じ結果をお約束するものではありません。
ご自宅でできるセルフケア
ここでは、脳卒中後の歩きにくさが気になる方が、ご自宅で取り組みやすい動きを紹介します。すぐに歩き方が変わるというものではありませんが、足や体幹を動かしやすい状態を保つための土台になります。ふらつきが心配な方は、必ず壁や手すりなど支えのある場所で、できる範囲から始めてください。
- 1椅子に座り、かかとを床につけたまま、つま先をゆっくり持ち上げて5秒ほど止めます。左右それぞれ10回ほどを目安に、すねの前側を意識して行います。
- 2壁や手すりに軽く手を添えて立ち、その場で太ももを交互にゆっくり持ち上げる足踏みを行います。足を「振り出す」感覚を確認しながら、無理のない高さで10〜20回ほど。
- 3椅子に浅く腰かけ、背すじを軽く伸ばして体を左右にゆっくりひねります。体幹の回旋を保つことが、歩くときの安定につながります。痛みのない範囲で5往復ほど。
いずれも、痛みやしびれ・強い疲れが出るときは無理をせず中止してください。2週間ほど続けても変化が乏しい場合や、ふらつきが強い場合は、お一人で続けず一度ご相談ください。
セルフケアを続けても変化が乏しい場合や、ご自身でのケアに不安がある場合は、LINEでお気軽にご相談いただけます。
研究からわかっていること
脳卒中後の歩きにくさに対しては、「実際の生活動作に近い課題を、十分な回数くり返し練習する」という考え方(課題に沿った練習)が国内外で重視されています。複数の研究をまとめたシステマティックレビュー・メタ分析では、こうした課題に沿った練習が、脳卒中の方の歩行速度やバランスの指標を改善する傾向が示されています(系統的レビュー・メタ分析, 2025)。
また、足を引きずる原因となる「つま先のクリアランス(持ち上げ)」に着目した研究のまとめでも、課題に沿った歩行練習がつま先の引っかかりや歩行の安全性の改善に役立つ可能性が報告されています(He et al., 2026)。当院の施術もこうした考え方を土台にしていますが、変化の出方には個人差があり、すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。
歩きにくさ・ふらつきでお悩みの方は京都・中京区へ
「足を引きずってしまう」「外を歩くのが怖い」というお悩みは、麻痺した足だけでなく、体幹や反対側の脚の使い方まで含めて見直すことで、変化につながることがあります。当院では、歩き方や姿勢、体の使い方の背景までていねいに確認しながら、自費の施術の中で歩きやすさを一緒に目指していきます。担当するのは、理学療法士・健康科学修士・発達ケア・アドバイザーの大村颯太です。脳卒中後の歩きにくさやふらつきでお悩みの方は、京都・中京区の当院へ一度ご相談くださいね。
参考文献
- (He et al., 2026) Task-Specific Gait Training Strategies Targeting Toe Clearance in Hemiplegic Patients: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
- (系統的レビュー・メタ分析, 2025) Effects of Task-Oriented Training on Gait Outcomes and Balance in Individuals with Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
よくあるご質問
Q. 脳卒中の後でも歩き方は変わりますか?
A. 個人差はありますが、実際の動作に近い課題をくり返し練習することで、歩行速度やバランスに変化が見られたという研究報告があります。発症からの時期や状態によって変化の出方は異なります。
Q. 足を引きずってしまうのはなぜですか?
A. 麻痺側の足を振り出す力や、つま先を持ち上げる動き(クリアランス)が不足することが背景にあります。体幹の支えや反対側の脚の使い方も関係します。
Q. どのくらいの期間で変化が出ますか?
A. 一概には言えません。今回の例では約半年かけて変化が見られましたが、変化のあらわれ方には個人差があります。
Q. 自宅でできることはありますか?
A. 本文で紹介したセルフケアが土台になります。ふらつきが心配な方は支えのある場所で行い、痛みやしびれが強いときは無理をせずご相談ください。
Q. 予約方法を教えてください。
A. まずはLINEからお気軽にご相談いただくのが便利です。その後、WEB予約またはお電話でも受け付けております。初めての方も安心してご利用ください。
※本記事は個人の一例を紹介したもので、効果・変化には個人差があります。当院は医療機関ではなく、自費の施術を提供しています。
京都オステオパシーセンター2F
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