人工股関節手術前にできる3つの準備|術後リハビリを少しでも楽にするためにできること
大村 颯太

人工股関節手術前にできる3つの準備|術後リハビリを少しでも楽にするためにできること

京都・中京区にある京都オステオパシーセンター2Fは、理学療法士歴10年の経験を活かし、オステオパシーによる根本改善を提供しています。

当院では、痛みの原因を全身から評価し、手技療法で自然治癒力を引き出します。

慢性的な不調や姿勢改善を希望される方は、まずは京都オステオパシーセンター2Fへご相談ください。

はじめに

京都オステオパシーセンター2Fの大村です。本日は、これから人工股関節置換術(THA)を検討している方に向けて、「手術前にできる準備」というテーマで記事をお届けします。「これから手術を控えているけれど、今のうちにできることはないだろうか」「術後の痛みやリハビリがどんなものか想像がつかず不安が強い」——そんな声を、臨床現場で本当によくお聞きします。本記事では、これから人工股関節置換術を受ける方の不安を少しでも軽くし、術後のリハビリと生活の質を高めるために術前から取り組んでおきたい「3つの準備」を、近年のエビデンスを交えながらお伝えします。

第一章:体力・筋力をできる限り高めておく

人工股関節置換術を受けた直後は、股関節周囲に強い痛みが残ります。リハビリの場面では理学療法士の指導のもと筋力トレーニングが進められますが、痛みが強い時期は「関節原性筋抑制(arthrogenic muscle inhibition)」と呼ばれる脳・脊髄レベルでの神経性抑制が働き、本人がいくら力を入れようとしても筋肉がうまく収縮しないという現象が起こります。その結果、術後数週間で筋肉が萎縮しやすく、回復に時間がかかってしまうことがあります。

だからこそ、術前のうちに「貯筋」しておく発想がとても重要です。痛みが我慢できる範囲で、全身の体力(有酸素運動)と、股関節周囲筋(殿筋群・大腿四頭筋・ハムストリングス・体幹)の筋力トレーニングを継続しておくことで、術後にスムーズに動作を再獲得できる土台ができあがります。実際、THA前のプレハビリテーションを評価した最新のネットワークメタ解析では、下肢筋力トレーニング・多領域運動・太極拳が、術前の身体機能・疼痛・QOL(健康関連QOL)・Timed Up and Goに有益な効果を示したことが報告されています(van der Vorst et al., 2026)。

第二章:可動域を広げるストレッチを丁寧に行う

手術後は、臀部や股関節周囲を切開しているため、傷の痛みでストレッチを思い切って行うことが難しくなります。可動域を確保するために理学療法士がストレッチを行ってくれますが、その過程の痛みに強い苦痛を感じる方は本当に多くいらっしゃいます。

そこで、術前のうちにできる範囲で股関節の可動域を広げておくことをおすすめします。術前に可動域を広げておくと、術後リハビリがスムーズに進み、苦痛が少ない時間を過ごしやすくなります。さらに、退院後も術前に確保していた可動域を取り戻しやすく、長期的にも動かしやすい股関節を維持しやすくなります。可動域訓練は痛みのある方向に無理に伸ばすのではなく、深呼吸とあわせて「気持ちよく動かせる範囲」を、毎日少しずつ広げていくイメージで行うのが安全です。

第三章:長年の痛みで生じた代償パターンを少しでも整えておく

人工股関節の手術を検討されている方は、長年の変形性股関節症の痛みから、二次的な代償パターンが体に染み付いていることがほとんどです。代表的なものとして、痛い側をかばう跛行、反対側への体重シフト、骨盤の傾き、体幹の側屈、膝・足関節への過剰負担などが挙げられます。

こうした代償パターンは、筋膜が体の形状を「記憶」してしまうため、人工股関節に置き換えるだけでは完全には消えにくいことが知られています。片側変形性股関節症患者の歩行を3次元動作解析でクラスタリングした研究では、術前の不良な歩行パターン(特に股関節伸展可動域の低下)を持つ群は、術後1年経過しても健常者との差が残存しやすいことが報告されています(van Drongelen et al., 2021)。

だからこそ、術前のうちから少しでも代償パターンを整えておくことが大切です。具体的には、骨盤・体幹のアライメント調整、痛い側にも体重を乗せられる範囲での荷重練習、呼吸と連動した体幹のリリース、足部・足関節の安定性向上などが有効です。代償パターンが整っていると、術後の運動学習がスムーズに進み、せっかくの人工股関節の機能をより活かしたきれいな歩行・姿勢を再構築しやすくなります。

おわりに

今回は、人工股関節置換術を控えている方に向けて、術前にできる「3つの準備」——①体力・筋力強化、②可動域確保、③代償パターンの調整——についてお伝えしました。

人工股関節置換術は、長年の痛みから解放される素晴らしい手術です。一方で、手術はあくまで「股関節そのもの」を置き換えるものであり、股関節以外の体の問題までは取り除いてくれません。また、術後は痛みが強い時期があるため、可動域訓練や筋力トレーニングをすぐに思い切って行うことが難しいケースもあります。だからこそ、術前のうちにできる準備を進めておくことが、術後のリハビリの楽さや動作の質を大きく左右します。

当院では、できるだけ人工股関節の手術を避けたい変形性股関節症の方への保存的アプローチ・運動指導も行っていますし、人工股関節の術前コンディショニング、術後の長期メンテナンスのご相談にも対応しています。変形性股関節症で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、必ず力になれることがあると思いますので、お気軽にご連絡ください。

参考文献

(van der Vorst et al., 2026) Effectiveness of prehabilitation modalities before total hip arthroplasty: a systematic review and network meta-analysis

(van Drongelen et al., 2021) Identification of Patients with Similar Gait Compensating Strategies Due to Unilateral Hip Osteoarthritis and the Effect of Total Hip Replacement: A Secondary Analysis

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※当店は医療機関ではございません。自費での施術になります。

※改善には期間や個人差がございます。

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よくあるご質問

Q. オステオパシーとはどのような治療法ですか?

A. オステオパシーは身体全体のバランスを整える手技療法です。当院では、理学療法士歴10年の知識をもとに、筋肉や骨格の調整を行います。

Q. 京都・中京区の院へのアクセスを教えてください。

A. 京都オステオパシーセンター2Fは、京都市中京区に位置しております。お車でも公共交通機関でもお越しいただけます。

Q. 初回の施術時間はどのくらいですか?

A. 初回はカウンセリングを含め約60分程度です。当院では丁寧な評価を心がけています。

Q. 慢性的な腰痛にも効果がありますか?

A. はい、慢性的な腰痛にも効果が期待できます。当院では全身のつながりを考慮したオステオパシーアプローチで根本改善を目指します。

ブログを書いたスタッフ

大村 颯太

大村 颯太

〜薬に頼りすぎない人生を共に創る〜 理論に固執しすぎず、結果にこだわる柔軟な施術家を目指しています。 ・理学療法士 ・健康科学修士 ・発達ケア・アドバイザー ~Let's create a life together that doesn't rely too much on medication~ I aim to be a flexible therapist who focuses on results and doesn't get too hung up on theory. ・Physiotherapist ・Master of Health Science ・JEFPA certified foot care advisor ・developmental care advisor

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