「授業に集中できない」
「文字を読むのが遅い」
「運動が苦手で、すぐ転ぶ」
こうした悩みを抱えるお子さん、もしかすると“目の使い方”が関係しているかもしれません。
視力そのものに問題がなくても、「見る力(ビジョン)」の発達が追いついていないケースがあるのです。
先日、ブレインアクティベート協会の松本康宏先生による【子どもの発達ケア・ビジョン症例座談会】を拝見しました。
松本先生は、子どもの発達における“視覚機能”の重要性を、実際の臨床例をもとに丁寧に解説されていました。
今回は、その内容から得た学びをもとに「見る力」が子どもの成長にどう影響するのかをご紹介します。
視力は正常でも「見る力」が未発達なことがある
授業中に集中できない、ノートを写すのが苦手、計算ミスが多い…。
これらの行動の背景には、「見る力」の未熟さが潜んでいる場合があります。
たとえば、
- 目の動きをスムーズにコントロールできない
- 両目の動きがバラバラで、立体的に物を捉えにくい
- 空間感覚や距離感をうまく掴めない
といった状態が続くと、学習や運動のパフォーマンスに影響を及ぼします。
「性格」や「やる気」の問題と思われがちですが、実際には“目と脳の協調”の問題であることも少なくありません。
「見る力」はトレーニングで伸ばせる
松本先生が特に強調されていたのは、「視力」と「見る力」は別物ということです。
“止まっているものをどれだけ細かく見えるか”というのが視力であり、
“動くものを追う・ピントを合わせる・空間を把握する”といった能力が「見る力」です。
そしてこの「見る力」は、運動能力と同じようにトレーニングで向上します。
たとえば家庭では、
- 目で動くものを追う遊び(風船遊び、紙飛行機など)
- 積み木やブロックを使った立体的な遊び
などを通して、自然と「見る力」を養うことができます。
年齢に合わせた「見る力」の育て方
発達には個人差があり、視覚機能の成長スピードも子どもによって異なります。
大切なのは、年齢や発達段階に合わせたサポートを行うことです。
松本先生によると、「遊びを通して育む」ことが最も効果的とのこと。
特に乳幼児期〜学童期は、視覚と脳の協調性が発達する大切な時期です。
遊びながら視覚機能を育てるアイデア
- ボール遊びで動体視力を鍛える
- 絵本を指で追いながら読むことで追従運動を強化
- パズルや迷路で空間把握能力を高める
こうした“遊びの中での刺激”が、自然と「見る力」の発達を助けてくれます。
よくある質問 Q&A
Q. 視力が良ければ問題ない?
→ いいえ。視力1.5でも「見る力」が未発達なケースは多くあります。
文字を読むときにピントを合わせる力や、目で物を追う力など、視覚の総合的な働きが関係します。
Q. 家でできることは?
→ 日常の中で、子どもの目の使い方に注目してみてください。
本を読むときに頭を傾けたり、すぐに目をこすったりする場合は、視覚機能に負担がかかっているサインかもしれません。
Q. すでに小学生・中学生でも改善できる?
→ はい。脳と目の協調性は、年齢に関係なくトレーニングで発達します。
専門家の指導を受けながら取り組めば、学習や運動への影響も改善が期待できます。
まとめ
「見る力」は、学びや集中力、運動能力にまで深く関わっています。
松本先生の講座を通して感じたのは、子どもの発達を理解するうえで“視覚の発達”を見逃してはいけないということ。
お子さんの成長に少しでも不安を感じたら、専門機関での「ビジョンチェック」や「ビジョントレーニング」を検討してみてください。
早めのケアが、子どもの自信と未来を大きく支えるきっかけになります。
気になることがあれば、いつでも京都オステオパシーセンターにご相談ください。
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ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
〜薬に頼りすぎない人生を共に創る〜 理論に固執しすぎず、結果にこだわる柔軟な施術家を目指しています。 ・理学療法士 ・健康科学修士 ・JEFPA認定足育アドバイザー ・発達ケア・アドバイザー初級 ~Let's create a life together that doesn't rely too much on medication~ I aim to be a flexible therapist who focuses on results and doesn't get too hung up on theory. ・Physiotherapist ・Master of Health Science ・JEFPA certified foot care advisor ・Beginner developmental care advisor
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