はじめに.
変形性股関節症(OA)と診断されると、「どれくらい歩いてもいいの?」「動かない方が関節にいいのでは?」と悩まれる方が多くいらっしゃいます。
しかし、最新の研究では“歩きすぎても”“歩かなさすぎても”症状の悪化に関わることが分かってきました。
この記事では、変形性股関節症における適切な歩数の目安とその理由を、わかりやすく解説します。
1.変形性股関節症 10000歩以上は進行を促進する?
京都大学の研究(Tateuchiら, 2017)では、1歩ごとの股関節への負担と1日の歩数を掛け合わせた「累積股関節モーメント」が大きいほど、レントゲンで見たOAの進行リスクが高まることが分かっています。
さらに、厚生労働省の研究班によるレビューでも、1日10000歩以上の身体活動は、股関節や膝関節の変形進行に関与する可能性があると示されています。
つまり、「たくさん歩けば健康に良い」という一般的な考え方が、そのまま股関節には当てはまらない場合があるのです。
2.変形性股関節症 6000~7000歩が理想的?
では、どれくらいの歩数が理想なのでしょうか?
現在のエビデンスでは、1日5000~7000歩程度が適度とされています。
この範囲であれば、筋力や関節機能を維持しながら、過剰な負担を避けることができると考えられます。
一方、1日6000歩未満の人では、股関節周囲の筋肉の活動が非効率になったり、進行を予測させるような歩き方になりやすいとの報告もあります。
「歩きすぎてもダメ、歩かなさすぎてもダメ」。そのバランスが大切なのです。
3.過度な安静は禁物、痛みに応じて適度に歩こう
「痛みがあるから」と安静にしすぎると、関節周囲の筋肉が弱くなり、動きがさらに制限され、症状が悪化する悪循環に陥ります。
安静は必要ですが、「動かさない」のではなく、「**痛みの出ない範囲で動かす」**ことがポイントです。
ノルディックポールを活用したウォーキングや軽いストレッチ、プールでの運動など、股関節にやさしい運動を無理のない範囲で継続することが進行予防にもつながります。
また、歩き方に偏りがある場合は、理学療法士やオステオパスの指導のもと、荷重のかかり方やバランスを整えることも効果的です。
終わりに.
変形性股関節症の進行を防ぐためには、ただ「歩けば良い」わけではありません。
10000歩を超えるような過度な運動は避け、5000〜7000歩を目安に、痛みに応じた適度な活動を心がけることが大切です。
そして、ただ歩数を気にするのではなく、**“どう歩くか”**も忘れてはいけません。
京都オステオパシーセンターでは、あなたの体に合った無理のないケアと運動の指導を行っています。ご相談はお気軽にどうぞ。
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ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
〜薬に頼りすぎない人生を共に創る〜 理論に固執しすぎず、結果にこだわる柔軟な施術家を目指しています。 ・理学療法士 ・健康科学修士 ・JEFPA認定足育アドバイザー ・発達ケア・アドバイザー初級 ~Let's create a life together that doesn't rely too much on medication~ I aim to be a flexible therapist who focuses on results and doesn't get too hung up on theory. ・Physiotherapist ・Master of Health Science ・JEFPA certified foot care advisor ・Beginner developmental care advisor
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